Drag

 

All You Can Eatから8ヶ月後の1997年にリリースされたdragはいわゆるカバーアルバムです。従来もkdはいくつかのアルバムにおいて既存の曲(たとえばローズガーデンやパツィ・クラインの曲など)をカバーをしていましたが、このアルバムでは全曲煙草やaddictionにちなんだ曲が選曲されており、コンセプチュアルなアルバムとなっています。kdはなぜこのアルバムを出したのでしょうか? ただ単に煙草に関連した曲を集めてアルバムを作りたかったのでしょうか? それとも最近のカバーブームに乗じて、kdにもカバーアルバムを出させようとレコード会社が企画したのでしょうか? 私の私見(まったくの推測)では最初のきっかけはレコード会社の思惑で始まり、カバーアルバムを出そうとkdに働きかけたものの、でもkdはただの昔のヒットソングを意味もなく集めたアルバムは作りたくなかった、彼女のアーティストとしてのクリエイティビティを満足させるコンセプトで作るならOKだということになったのだと思います。
ノンスモーカーのkdが煙草に関するアルムを出す、これは彼女自身が納得できるアイデアであったろうと思います。なぜなら彼女は、対照的なことがらを、通 常の立場を逆転させて表現することが好きだからです。ファーストシングルとなったJokerもマッチョな男の歌を女である彼女が歌うことで新味を出そうとしたのではないかと思います。
もう一点付け加えるなら、kdは古いオーソドックスなジャズソングを歌いたかったではないかと思うのです(デビュー前の彼女はカントリーシンガーではなく、ジャズシンガーを目指していたように)。でも、一つ間違えると批評家やジャーナリズムはkdがまたポップミュージックを捨て、JAZZに転向したが、スタンスが中途半端だと批判したでしょう。そうした状況の中での折衷案がDragだったのではないかとも思ってしまいます。

Dragがユニークなコンセプトで作られたとしても、結局アルバムは大きなヒットにはなりませんでした。それを失敗とは呼びたくありませんが、仮に敗因があったとするなら、もっとも大きな理由は 'Don’t Smoke In Bed' をファーストトラックに収録したことだったのではなかと思います。レコードショップで視聴して、最初に耳にするのがこの曲です。この曲が良い曲であるのは認めますが、時代の気分には合っていません。少なくとも、最もなじみやすい曲ではなかったろうと思います。第二の理由は、Jokerが最初にシングルカットされたことです。この曲はkdの美しい歌声を際立たせるには良い選曲ではなかったと思います。皆さんはどう思われますか?

 

Track Listing
 

Don't Smoke In Bed
The Air That I Breathe
Smoke Dreams
My Last Cigarette
The Joker
Theme from 'Valley Of The Dolls'
Your Smoke Screen
My Old Addiction
Till The Heart Caves In
Smoke Rings
Hain't It Funny
Love Is Like A Cigarette